ビジネスに関することで質問の多い内容を、Q&A方式でまとめてみました。
このページに書かれた記事の内容に対するご質問やご相談を、随時受け付けております。
問い合わせページより、お気軽に問い合わせください。

 

問い合わせページ

index

  • 事業承継について
  • 新規事業化について
  • 幹部社員育成について
  • 業績目標達成について
  • 事業計画の作成について
  • 業績連動型給与制度作りについて

Q1.(事業承継について)

 現社長(父親)から、5年後を目途に社長業を継いで欲しいと言われています。

 経営に関する知識は色々と勉強してきましたが、実際に社長として会社全体をマネジメントしていくことに自信が持てません。

 今後どのように対応していけばよいのでしょうか。

 

ワンポイントアドバイス;計画的に事業承継後の体制を確立して行くことが必要です。

 中小企業における大きな事業承継リスクの一つとして、事業承継後に経営方針が大きく変化することによる社内の混乱を招くことが挙げられ

 ます。 

 事業承継が成された場合は承継者の経営方針に基づいて事業を運営していく必要がありますが、経営方針は会社全体の方向性であり、急激な変化

 に対して、社内から戸惑いや抵抗が生じることは必然的です。

 

 事業承継後の経営体制をスムーズに確立するためのポイントとして、次の三つを挙げます。

 

 1.承継時期を含む長期の事業計画を、承継者が主体となって作成することが効果的です。       

   ご相談頂いたケースであれば、承継までの5年間とその後数年間を合わせた期間に係る長期計画を作成してみるとよいでしょう。

     事業の方針も、あるときから急に変化すると周囲はついて行けなくなりますが、長期スパンでの計画の中で変化させられれば、周囲からも

           受け入れられます。 

 

 2.事業承継後の経営組織について、承継者自らが構想を持つことが必要です。 

      承継する経営資源のうち、モノ、カネについては方針や体制が変化してもそのままの形で活用できますが、ヒトについては、価値観の違いや

   適材適所の観点から、そのままの形で活用することはリスクとなります。

   事業承継後に、自らの右腕、左腕となって欲しい人材には、早くから今後の事業方針を伝え、見解統一を図った上で、事業計画作成に参加

   させるくらいのことが必要です。

   また古参の幹部人材に対しても、同様の対応を行い、事業承継後も従来と同じような 気持ちで事業参画してもらえるような状況を作ること

   が必要です。 

 

 3.事業承継に関する実行計画を作ることが効果的です。

   1.2.で挙げたような事業計画の作成や経営組織の確立、社内や取引先など関係各者への周知などについて、どのような順序で、どのよう

   な時期に、どのような形で実践していくかということを計画化し、計画に基づいた事業承継準備を行うことで、承継後の経営体制もスムーズ

   に確立することができます。

 

Topに戻る 

Q2.(新規事業化について)

  近年の環境変化により、今後、現事業が衰退していくことが想定できます。

  よって会社が元気なうちに、新規の事業を確立し事業領域の拡大を図りたいのですが、どのように対応していけばよいのでしょうか。

 

ワンポイントアドバイス;目的と着地点を明確にした上で、業務の一環として行うことが重要です。

     会社が元気なうちに課題対応や基盤強化に取り組む姿勢は会社の継続化、拡大化を実践していく上で絶対的に必要なものであり、新規事業化も、

  そのうちの一つです。

  しかしながら、中途半端な対応では、いつまで経っても新規事業化は実現できません。

   毎年度の業績達成と同様、目標を作り、目標を達成するための計画と体制を確立した上で取り組むことが大前提です。

 

  主な留意点として、次の三つが挙げられます。

 

 1.なぜ今新規事業化が必要なのか(目的)、いつ頃までにどのような状況を作りたいのか(着地点)を明確にした上で取り組む必要が

   あります。 

   新規事業化は長時間の対応となるため、目的と着地点を明確にしておかないと、継続することが難しくなります。 

 

 2.片手間に行うのではなく、必要な業務の一つとして取り組む必要があります。 

   1.で指摘した通り新規事業化は長時間の対応となるため、片手間で行ったのでは一向に進展せず、自然消滅的に終了してしまう可能性が

   高くなります。 

 

 3.仮説の立案と検証を繰り返すことが必要です。 

   新規事業の検討段階では数多くのアイデアが発生しますが、アイデアのままで置いておくと、いつまで経っても進展しません。 

   1.で指摘した着地点を大事にして、着地点に到達できそうな具体的な仮説(=事業化していくプロセス)を作り、情報収集や市場調査など

   を行い、立てた仮説が正しいのかどうかの確認を行う作業を繰り返すことで、事業が具体化していきます。 

 

 具体的に進めていく上では、経営層も交えた社内プロジェクトチームを立ち上げ、定期的にミーティングを実施することが望ましいでしょう。 

 このとき、メンバーの日常業務の見直しを考えてあげてください。

 また外部の専門家の協力を得る場合も専門家任せにするのではなく、社内が主体となって取り組むという姿勢を持つことが成功につながります。

 

Topに戻る 

Q3.(幹部社員育成について)

  社長の右腕、左腕となる幹部社員を育成し会社を強くしていきたいと考えているのですが、期待している人材がなかなか思うように育ちません。

  どのように対応していけばよいのでしょうか。

 

ワンポイントアドバイス;役割を与えた上で、トップ自らが育てることが効果的です。

 社内組織や教育体制が整備され社員の職務役割も明確な大企業では時間をかけて計画的にヒトは育ちますが、そのような条件が整備されていない

 中小企業では、思うようにヒトが育たないのが実情です。 

 しかしながら、中小企業であっても、トップの考え方一つでヒトは育ちます。

 

 幹部社員を育てるためのポイントとして、次の四つが挙げられます。 

 

 1.極力会社の情報を開示した上で、事業方針の策定、意思決定の実施を行う場に参画させることが効果的です。 

   信用、期待されていることを感じ取ることで自ら成長しようという意欲が発生し、経験することで能力が向上します。 

 

 2.幹部社員に相応しい役割と権限を与えることが効果的です。 

   幹部社員として相応しい役割と権限を与え、今まで担当していた日常担当業務等を順次下位者に移譲しつつ役割を実践させることで、日常的

   に幹部社員としての役割を遂行している状況を作ることができます。 

 

 3.トップ自身が定期的に幹部社員の進捗確認を行うことが効果的です。 

   上記2.に関して、最初のうちは幹部社員自身も日常担当業務に目が行ってしまい、幹部社員としての役割遂行が疎かになることが多くなり

   ます。 

   よって、トップ自身が幹部社員に対して積極的にコミュニケーションを図り、進捗確認や助言を行うことで、幹部社員の意識を変えていく

   必要があります。 

 

 4.幹部社員としての人的資質を兼ね備えた人を候補者にすることが必要です。 

   トップの想いが先行して幹部社員候補者を決めてしまうことが多く見られますが、人には向き不向きがあるのと同様、幹部社員として

   相応しい人的資質は存在します。

 

   なお、高業績型幹部社員の人的資質として、一般的に次のような内容が挙げられます。 

   『誠実である』、『プラス思考である』、『口が堅い』、『仮説を立てられる』、『実行力がある』、『統率力がある』

 

Topに戻る 

Q4.(業績目標達成について)

  毎年度、部門ごとの業績目標も明確にした上で事業計画を作り、社内にも周知させているのですが、業績目標未達であることが大半で、会社と

  しての収益性も低下しています。

  業績目標を必達するための対策を教えてください。

 

ワンポイントアドバイス;実行可能な目標を設定し進捗管理を行うことが必達の秘訣です。

  部門ごとに明確な業績目標が設定されているものの、設定した後に業績目標の存在が形骸化してしまい、ふたを開けてみれば業績目標は未達で

  あったという結果が繰り返され、業績の低迷を招いている企業が多く見られます。

  どれだけ恰好がよい目標を作っても、できなければ、もしくはやらなければ絵に描いた餅であり、ゼロ成果に等しいです。

 

  業績目標を必達するためのポイントとして、次の三つを挙げます。

 

  1.実行可能な業績目標を設定する必要があります。 

             業績目標については経営トップの期待するところも大きく、部門目標を設定する部門 責任者もトップの期待に答えようとするあまり、期待

       数値をそのまま業績目標に設定してしまうケースが多々見られます。

    しかし本来は、部門の業績目標を現在部門内で有する体制や能力を最適に駆使した上で得られる実現性のある内容で設定し、トップが全部門

       の業績目標を確認した上で会社全体としての業績目標を確定する必要があります。

             実行可能な業績目標で必要とする企業収益に達しないのであれば、業績目標とは異なる部分での対応を行う必要があります。 

 

 2.定期的に、業績目標の進捗確認を行う必要があります。

          目標を達成したいのであれば、目標の存在を常に意識し続けることが必要です。

      しかし現実では、日常業務に忙殺されて目標の存在が希薄になり、気がついたら残りの期間では達成不可能な状況に陥っていたという状況が

   多々生じます。 

   よって定期的に(極力短いスパンで)、立てた目標の進捗確認を行う必要があります。 

 

 3.必要に応じて、実行計画の軌道修正を行う必要があります。 

   目標を達成するためには実行計画の作成が必要ですが、事業には環境変化があり、必ずしも計画通りに事は運びません。

   2.で挙げた進捗確認の場で、臨機応変に実行計画の軌道修正を行う必要があります。

 

Topに戻る 

Q5.(事業計画の作成について)

 最近社員から、会社の方向性が見えないとの声が聞かれるようになりました。 

わが社でも来年度から年度の事業計画を作り、社員と共有化していきたいと考えています。

対応上の留意点を教えてください。

 

ワンポイントアドバイス;会社の方針を明確にした上で、社員に対して理解できるように周知する ことが必要です。

  高業績が続いているときは社員が会社の方向性に疑問を持つことはあまりありませんが、業績低迷時には、社員は会社の方向性に懐疑的になり、

  漠然とした不安感が芽生えます。

  このような社員の不安感を解消し、さらには取引先や金融機関などからの信用を高める意味においても、会社の方向性と事業のプロセスを明確化

   した事業計画の存在が効果的です。

 

  事業計画を作成し社員と共有化するためのポイントとして、次の四つを挙げます。

  

 1.全体像とプロセスを明確にした事業計画を作成することが効果的です。 

   事業計画は作ることに意義があるのではなく、共有化した上で、会社全体で成果を創造することが目的であるため、『やりたい方向性(事業 

   方針)』と『実現したい状態(事業目標)』が反映された全体像、及び『やる体制(社内体制)』と『やる手順(行動計画)』が一体となっ

   たプロセスを明確にした事業計画を作成する必要があります。

 

 2.事業計画内容の根拠を明確にする必要があります。 

   できあがった事業計画も、社員にとって遠い世界の話では意味がありません。 

 社員に頑張れば実現可能であると感じさせることが重要であり、そのためにも事業計画の内容に関して、達成(実現)できるという根拠を

 明確にする必要があります。

 

 3.事業計画書はシンプル化することが効果的です。 

   事業計画を作り始めて間がない頃は、力が入りすぎて、必要以上にボリュームのある事業計画書を作成してしまうことがよくあります。 

 しかし社員と共有化するためには、読む側が自分のものにできる内容でなくてはならないため、事業計画書はシンプルかつ社員にとって

 分かりやすく表現された内容であることが望ましいです。

 

 4.社員と意見交換する場を設けることが効果的です。 

   一方的に事業計画内容を伝えるだけでは、社員にとって命令としか映りません。 

 事業計画内容について意見交換を行う場を設けることで、社員の中で一方的に作られたものであるという意識が消え、社員との間で共有意識

 を持つことが容易になります。

 

Topに戻る 

Q6.(業績連動型給与制度作りについて)

 わが社は、毎年4月の昇給と年2回の賞与支給は、一度も欠かすことなく行ってきました。

 しかし近年は業績が低迷しており、固定的に増える人件費が重い負担となっています。

 業績に連動させて人件費総額を決定できる方法があれば教えてください。

 

ワンポイントアドバイス;従業員の士気低下に留意した上で、無理のない方法を取ることが望ましいです。

 業績が右肩上がりのときは固定化された人件費も吸収できますが、業績が横ばい、右肩下がりの状況になると固定化された人件費が必要利益確保

 の阻害要因となってしまいます。

 しかしながら賃金は、働く側にとって最大の労働条件部分であり、経営側にとっても安易な人件費削減はやりづらいところです。

 

 人件費総額を業績に連動させて変動させる主なやり方として、次の三つを挙げます。 

 

 1.賞与支給総額を業績に連動させて決定する方式が、最もポピュラーな方法です。 

   年度業績がある程度読めるのであれば、必要利益を確保できる人件費総額から毎月の給与原資を控除した金額が賞与支給総額となり、総額内

      で配分します。 

   また年度業績を事前に想定するのが難しい場合は、決算ベースで割り出した必要利益を確保できる人件費総額から既に支給済みの人件費総額

   を控除した部分を決算賞与原資として、期末に決算賞与を支給する形で精算します。 

   またこの場合、部門や個人の業績に応じて、支給格差を設けることも効果的です。 

 

 2.給与形態を年俸制とし、基本年俸額のうち一定部分を、期末に確定した業績に応じて支給金額を決定する形も、よく見られます。

   この場合の業績は、会社業績、部門業績、個人業績いずれも対象とすることは可能ですが、ある程度仕事に関する裁量権のある職位層を対象

   とすることが望ましいです。 

 

 3.個人の業績成果が明確な数値で表すことが可能な場合は、個人を対象とした成果給の体系を組むことも可能です。

   その場合は、個人業績達成度に応じて給与水準を変動させる、もしくは個人業績数値をダイレクトに給与額に反映させるなどのやり方が

   考えられます。 

 

やり方は、前記の他にも色々と考えられますが、このような賃金体系を導入する上で重要なことは、能力とヤル気のある社員が業績成果を創造することができる環境が備わっていること、業績成果を適正に評価できる体制が備わっていることです。

ただやみくもに賃金を変動させるだけでは、従業員の士気低下を招きます。

 

Topに戻る 

★経営に役立ちそうなビジネス関連記事をまとめたページもありますので、参考にしてみてください。

ビジネス記事